ブルガリアの絹産業企業がつくる繊維クラスタ「シルク」が、同国北西部のビャラ・スラティナに絹の製糸・加工工場を整備する。ブルガリアとロシアから750万ユーロの資金を調達し、来年5月1日までに第一期工事を完了させる。シルクは、ビャラ・スラティナ工場の新設資金のほか、南部ハスコヴォ、北部ルセの生産能力拡大でもブルガリアとロシアから費用を調達する予定だ。
\第一期工事では生産ライン5本、繰糸機1基、織機1基を設置する。織機の稼働は来年9月となる見通しだ。養蚕および餌となるクワの栽培を含めて4,000人規模の雇用創出が見込まれる。製品は絹の人気が高い欧州市場に出荷する。
\シルクはまた、絹メーカーのドゥナフスカ・コプリナ(ルセ)とスヴィラ(ハスコヴォ)で操業を停止している織機を用いて布を生産する意向だ。スヴィラでは生産再開が決まっているほか、ドゥナフスカ・コプリナの買収に向けた交渉が進められている。
\ブルガリアは昨年、欧州最大の絹生産国としての地位奪回を目標に、絹産業再興10カ年計画を策定した。シルクも政府の支援を受けている。再興計画の資金の一部は現在、経済エネルギー省の助成で賄われているが、将来的には欧州養蚕助成金の交付を受ける見通し。
\シルクによると、ブルガリアは1981~85年に絹生産規模で欧州1位、世界4位の座にあった。しかし、その後は絹産業が停滞し、復興に向けては大規模な投資が必要となっている。
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