2011/10/5

CIS諸国

東芝、カザフ国営資源企業とレアメタルの合弁会社を設立

この記事の要約

東芝は9月29日、カザフスタンの国営資源企業のカズアトムプロムと、レアメタル・レアアースの研究開発・製造販売で合弁会社「KTレアメタル」を設立したと発表した。出資比率はカズアトムプロムが51%、東芝が49%。認可資本は7 […]

東芝は9月29日、カザフスタンの国営資源企業のカズアトムプロムと、レアメタル・レアアースの研究開発・製造販売で合弁会社「KTレアメタル」を設立したと発表した。出資比率はカズアトムプロムが51%、東芝が49%。認可資本は7億5,000万テンゲ(約3億8,000万円)で本社はアスタナに置く。来月にも業務を開始する。

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カズアトムプロムのレアメタル抽出・製造技術と、東芝の製品開発、製造販売のノウハウを組み合わせて相乗効果を狙う。超伝導機器用のニオブ材やX線管に使うベリリウムなどの応用製品を販売する。日本経済新聞によると、2015年度に40億円の売上を目指しているという。

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東芝はまた、独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の支援を受けて、カザフスタンでウラン溶液からレアメタル・レアアースを回収する実証実験を実施中。今後は同じ技術を用いて、航空機やガスタービン用の超合金からレニウムを、電気自動車のモーターやハイブリッド車のエンジンからレアアースを取り出すなど、同国での事業を拡大する方向だ。

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カズアトムプロムは、ウランや、ベリリウム、タンタルなどのレアメタル、原子力燃料を生産する100%国営企業。2万3,000人を雇用する。

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日本政府は、レアアース供給の97%を占める中国が昨年、日本への輸出を一時停止したことを機に、先端技術に欠かせないレアアースなどの材料の確保に向けた動きを活発化させている。昨年11月には菅首相(当時)がモンゴルのエルベグドルジ大統領と資源開発協力で戦略提携を締結した。

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