2011/10/19

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ルーマニアとブルガリア、インフレ率が減速

この記事の要約

ルーマニアとブルガリアでインフレ圧力が弱まってきた。ルーマニア国家統計局(INS)が11日発表した9月の消費者物価指数は、前年同月比で3.45%上昇したものの、上昇率は8月の4.25%を大きく下回り、体制転換以降で最低の […]

ルーマニアとブルガリアでインフレ圧力が弱まってきた。ルーマニア国家統計局(INS)が11日発表した9月の消費者物価指数は、前年同月比で3.45%上昇したものの、上昇率は8月の4.25%を大きく下回り、体制転換以降で最低の水準に低下した。豊作に伴う食糧在庫の増加や、需要減退による食品価格の下落などが物価上昇圧力の緩和に寄与した。

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9月の食品価格上昇率は前年同月比1.7%と、8月の3.8%から減速した。果物と野菜の価格下落が目立った。このほか、非食品の上昇率は前月の4.9%から4.8%に下落、サービスは3.5%で前月と横ばいだった。

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シティグループは顧客向けリポートで、「ルーマニアの短期インフレ見通しは、豊作や商品価格の下落により改善が続く」ルと指摘。一方で、管理価格の改定や来年実施される選挙に伴うリスクが中期の見通しに影響する可能性があると述べた。

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中銀のポパ副総裁は9月29日、インフレ率は年内に中銀が目標とする3%プラスマイナス1%以内に低下する可能性が非常に高いとの認識を示している。

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■ブルガリアのインフレ率も過去13カ月で最低に

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ブルガリア統計局が13日発表した9月のインフレ率は前年同月比3.3%で、8月の4.1%から大きく減速し、過去13カ月で最低の上昇率となった。政府の通年インフレ予測の3.7%も下回った。

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前月比でみると、消費者物価は8月にマイナス0.3%となったが、9月は変動がなかった。品目別に見ると、衣料品・履物の価格が0.7%低下したのに対し、食品は0.1%、アルコール飲料・タバコ製品は0.2%上昇した。また、サービス価格は、観光分野で4%低下した一方、医療分野では1.2%上昇した。

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今年は消費が低迷していることから、昨年のように秋からインフレが加速する懸念はないとの見方が市場では広がっている。国際通貨基金(IMF)もブルガリアのインフレが鎮静化するとの見方で、今年のインフレ率を4.25%、来年を3%と予測している。

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