2011/10/26

総合・マクロ

SABミラー、トルコのビール最大手と戦略提携

この記事の要約

世界2位のビールメーカーである英国のSABミラーが、トルコ同業のアナドル・エフェスの株式24%を取得する。代わりに、ロシア・ウクライナ事業(時価19億米ドル)をアナドル・エフェスに譲渡する。伝統的市場の米国・欧州での拡販 […]

世界2位のビールメーカーである英国のSABミラーが、トルコ同業のアナドル・エフェスの株式24%を取得する。代わりに、ロシア・ウクライナ事業(時価19億米ドル)をアナドル・エフェスに譲渡する。伝統的市場の米国・欧州での拡販が難しい中で、新興諸国事業を強化して売上を引き上げる狙い。先月の豪州フォスターズの買収に続く大型取引となる。

\

交換比率から算出したアナドル・エフェス株式の買収額は、利払い・税・償却前利益(EBITDA)の12.5倍で、フォスターズ株式とほぼ同じ水準だ。アナドル・エフェスの親会社、アナドル・グループの出資比率は42.8%に縮小するが、経営権は維持する。

\

SABミラーはアナドル・グループとともに、「アナドル・エフェスを通じてトルコ、ロシア、独立国家共同体、中央アジア、中東市場に投資していく」方針を示した。販売業務でも提携し、相互に事業エリアを拡大する。

\

両社によると、提携による相乗効果で1億2,000万ドルの経費が削減できる見通しだ。

\

アナドル・エフェスは中東地域のビール最大手。2010年の売上高は41億6,880万リラ(28億ドル)、EBITDAは10億1,090万リラ(6億8,000万ドル)だった。本国トルコでは89%の市場シェアを誇り、連結売上の31%を達成している。また、炭酸入りソフトドリンク市場でも69%のトップシェアを握る。

\

ロシア市場シェアは、両社を合わせるとカールスバーグ傘下のバルティカに次いで2位に浮上する。

\