ロシアのスムマ・グループとオランダのVTTIから成る企業連合「シュタンダルト」が、オランダ・ロッテルダム港の新石油ターミナル「タンク・ターミナル・ユーロポート・ウェスト(TEW)」の建設工事および運営業務を受注した。ロシア企業が落札したプロジェクトとしては過去最大級。モスクワで20日行われた契約調印式には、訪露中のルッテ・オランダ首相とメドベージェフ大統領が出席した。
\「シュタンダルト」はプロジェクトに10億米ドルを投資する。出資比率はスムマ・グループが75%、VTTIが25%。VTTIにはスイスの石油取引会社Vitolとマレーシア国営海運会社MISC Berhadが折半出資している。
\TEWは貯蔵能力300万立方メートルで、2015年に稼動する予定だ。完成すると、ロッテルダム港の原油取扱能力は、年間200万トン、石油製品は60~70万トン拡大する。ロシア産の石油に限ると、取扱高は倍増するという。
\シュタンダルトはTEWをロシア産原油の販売基地として位置づけている。バルト海沿岸のプリモルスク港から石油をタンカー輸送し、販売先を限定せずに供給していく。これにより、欧州を代表するブレント原油と、ロシア産のウラル原油の価格差を縮める狙いだ。
\ロッテルダム港は年間貨物取扱量が4億3,000万トンで、うち石油が1億トンを占める。
\ロシア政府によると、2010年の対オランダ原油輸出は5,660万トン、石油製品は2,680万トンに上っている。
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