2011/11/2

チェコ・スロバキア

電力大手CEZ、ドコバニ原発でも原子炉増設か

この記事の要約

チェコ電力最大手CEZは、南モラビアのドコバニ原子力発電所で、原子炉を少なくとも1基以上増設する可能性が高まっている。ドコバニ原発のザク所長がこのほど明らかにした。\ 同所長はブルームバーグの電話取材に対し、チェコの現政 […]

チェコ電力最大手CEZは、南モラビアのドコバニ原子力発電所で、原子炉を少なくとも1基以上増設する可能性が高まっている。ドコバニ原発のザク所長がこのほど明らかにした。

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同所長はブルームバーグの電話取材に対し、チェコの現政権はエネルギー安全保障に非常に現実的なアプローチで臨んでいると指摘。「ドコバニ原発に原子炉が増設される可能性は非常に高い」と述べた。同所長によると、既存の原子炉の2045年に寿命を迎えるが、政府は原子炉の増設に関する決定を今後10~15年かけて下す方針だという。CEZは現在、オーストリア国境近くのテメリン原発で原子炉2基を増設する計画を進めており、原子炉建設工事の入札には米ウエスチングハウスのほか仏アレバ、ロシアのアトムストロイエクスポルトと地元のシュコダJSの国際企業連合など原発プラント大手が名乗りを挙げている。

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チェコ政府は将来的に原子力の発電量全体に占めるシェアを現在の32%から50%以上に引き上げることを目指している。ただ、福島第一原発の事故以来、欧州で原発に対する風当たりが強くなるなかで、原子力を積極的に推進するチェコ政府の姿勢に対して欧州連合(EU)から圧力がかかる可能性もあると、証券会社Cyrrusのアナリスト、Hatlapatka氏は指摘する。また、ドコバニ原発で1基増設すると、既存のイフラヴァ川ダムだけでは水の供給能力が不足するため、別の水源から水を確保するための工事が必要になるなど、解決すべき問題点があるとしている。

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