2011/11/23

チェコ・スロバキア

チェコ通貨が下落、欧州債務危機の余波で

この記事の要約

チェコ通貨コルナの相場が下落している。欧州債務危機で市場にリスク回避の動きが強まっていることに加え、ポーランドやハンガリーなど隣国で自国通貨の下落を食い止める動きが出ていることが背景にある。国民経済が欧州連合(EU)に強 […]

チェコ通貨コルナの相場が下落している。欧州債務危機で市場にリスク回避の動きが強まっていることに加え、ポーランドやハンガリーなど隣国で自国通貨の下落を食い止める動きが出ていることが背景にある。国民経済が欧州連合(EU)に強く依存するチェコでは通貨防衛措置の実施の可能性は小さく、コルナ安が継続しそうだ。

\

英『フィナンシャル・タイムズ』紙によると、これまで低利のコルナで資金を借り、ハンガリー・フォリントなど高金利通貨建てで運用するキャリー取引が盛んだった。しかし、トレーダーが欧州危機の影響を懸念してキャリー取引を解消したため、コルナが高くなるという現象が起きた。いま、コルナ安が進んでいるのは影響が時間差で現れてきただけで、「これだけ時間がかかったのが不思議なぐらい(UBS銀行のバウェージャー氏)」というわけだ。

\

『フィナンシャル・タイムズ』紙がUBS銀行の委託調査の結果として伝えたところによると、チェコはユーロ圏への輸出が国内総生産の49%を占め、ハンガリー(44%)、ポーランド(20%)、ブルガリア(20%)と比べても高比率。輸出産業を支えるためにも中央銀行がコルナを支える措置を実施する可能性は低い。

\
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |