2011/11/30

ハンガリー

ムーディーズ、ハンガリーを投資適格外に

この記事の要約

米格付け会社のムーディーズは25日、ハンガリーの外貨・自国通貨建て格付けを「Baa3」から1段階引き下げ、投資不適格の「Ba1」とした。ハンガリーは欧州連合(EU)に加盟する東欧諸国で最大の債務を抱えているうえ、欧州債務 […]

米格付け会社のムーディーズは25日、ハンガリーの外貨・自国通貨建て格付けを「Baa3」から1段階引き下げ、投資不適格の「Ba1」とした。ハンガリーは欧州連合(EU)に加盟する東欧諸国で最大の債務を抱えているうえ、欧州債務危機の影響も波及しており、同国政府が財政赤字・公的債務の中期削減目標を達成できる見通しが不確実になっていることが理由だ。格付け見通しは「ネガティブ」に据え置かれた。

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ハンガリー通貨フォリントは対ユーロで過去6カ月に15%下落した。リーマンショック以前に1ユーロ=250フォリント前後で推移していた為替相場は、14日には同317.92ユーロの史上最低値を更新。中銀は15日、金利引き上げの必要を示唆した。また、欧州債務危機の深刻化で、国債の利回りも上昇しており、指標となる10年物の流通利回りは一時、1月以来の高水準となる9.6%に上昇した。ハンガリー政府は過去3カ月で国債発行を2回中止したうえ、8回の入札で発行規模を縮小している。

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ハンガリー政府は17日、市場の信用を回復するため、国際通貨基金(IMF)とEUに支援を要請した。ムーディーズはこの動きを「短期的な効果はあるかもしれない」と評価する一方、「赤字財政の中期的な改善にはつながらない」と判断。今回のジャンク級への格下げを決めた。

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一方、11日にハンガリーの格付けを引き下げ方向で見直す「クレジット・ウォッチ」に指定した米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、IMFとEUの支援内容に関する情報が必要だとして、今月に予定していた格付けの決定を来年2月末まで延期する方針を明らかにした。S&Pとフィッチ・レーティングスはハンガリーを投資適格級の一番下に格付けしている。

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