2011/11/30

ロシア

鉄鋼大手MMK、豪鉱山会社を買収

この記事の要約

ロシアの鉄鋼大手マグニトゴルスク製鉄(MMK)は25日、オーストラリアの鉱山会社フリンダース・マインズを5億8,300万米ドルで買収すると発表した。フリンダースが豪西部ピルバラ地域で実施している鉄鉱石プロジェクトの取得が […]

ロシアの鉄鋼大手マグニトゴルスク製鉄(MMK)は25日、オーストラリアの鉱山会社フリンダース・マインズを5億8,300万米ドルで買収すると発表した。フリンダースが豪西部ピルバラ地域で実施している鉄鉱石プロジェクトの取得が目的だ。

\

鉄鋼業界では、原材料の確保とコストダウンを目的に資源開発事業を買収し、景気後退時にも収益を上げる体制を築く動きが盛んだ。鉄鋼世界最大手のアルセロールミタルは鉄鉱石とコークス炭でも世界五指に入る。

\

MMKの鉄鉱石の自給率は現在、約30%。鉄鉱石価格の高騰で今年4-6月期の利払い・税・償却前利益(EBITDA)マージンは2006年の半分の15.6%に下落しており、鉄鉱石資産の確保を急いでいる。

\

ただ、市場関係者は今回の買収に懐疑的だ。アルファ銀行のアナリストは、フリンダースの鉄鉱石プロジェクトがMMKの収益に寄与するのは2015年以降になるとし、ロシア国内の鉄鉱石プロジェクトを優先した方がいいと指摘。さらに、MMKの今年6月末時点の長期負債額が26億ドル、固定負債額が42億ドルに上るうえ、今回の買収のためにモスクワ銀行から1億ドルを借り入れる計画であることから、同社の株価が今後半年は低迷すると予想している。

\

MMKの発表の前日には、三菱商事がオーストリアの資源会社マーチソン・メタルズが保有する両社の合弁2事業の権益を3億1,500万ドルで買収すると発表した。事業の1つはジャックヒルズ鉄鉱床の開発プロジェクトだ。

\
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |