2011/12/14

総合・マクロ

下院選挙の操作疑惑で公式調査実施=メドベージェフ大統領

この記事の要約

メドベージェフ大統領は10日、4日の下院選挙の合法性を調査する方針を明らかにした。選挙の不正操作を訴える反プーチンデモが規模を拡大していることを受けたもので、ロシアの政情が変化しつつあることを示している。\ 抗議行動は極 […]

メドベージェフ大統領は10日、4日の下院選挙の合法性を調査する方針を明らかにした。選挙の不正操作を訴える反プーチンデモが規模を拡大していることを受けたもので、ロシアの政情が変化しつつあることを示している。

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抗議行動は極東のウラジオストクを皮切りに、ウラン・ウデやオムスクといったシベリアの都市、モスクワ、サンクトペテルブルグなどの欧州地域に広がった。10日の警察発表によると、モスクワでは厳寒の中、2万5,000人規模の集会が平和裏に執り行われた。現地のRIAノボスチ通信によれば、国内の他の30都市で合計1万5,000人以上が同様の集会に参加したという。

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ロシア国立大学経済高等学校(HSE)の教授で下院議員を務めたこともあるルイシコフ氏は、今回の集会が「15万人が集まった過去20年で最大の抗議行動である」とし、50万人規模の集会を計画していることを明らかにした。国内最大のサーチエンジンであるヤンデックスの地図情報には、100都市のデモ計画が記載されている。

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■「プーチンなきロシアを!」

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モスクワの集会では、抗議の印として白いリボンを身につけた参加者が「プーチンなきロシアを!」のスローガンを唱えた。

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プーチン首相(59)は今年9月、来年3月の大統領選出馬を表明したが、国民の間では所得の伸び悩みや汚職の横行で不満が高まり、プーチン首相やその政権基盤である与党「統一ロシア」の人気が低下している。

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選挙監視団を派遣した欧州安保協力機構(OSCE)は5日、下院選で開票操作などの不正が多くあったと発表。クリントン米国務長官も同日、ロシア政府に不正疑惑に関する調査を求めた。

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与党内では疑惑を「ロシアの安定を揺るがす目的で外国の勢力が広めたもの(下院渉外委員会のコサフヨフ委員長)」として抗議する声も出ている。しかし、メドベージェフ大統領は、「自らの政治的立場とは関係なく、投票所の手続きが選挙法を遵守していたかどうかを明らかにするのが責務」として調査を開始することを決めた。

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人口1,150万人を擁する首都モスクワでは、中央選管発表の「統一ロシア」得票率が46%を超えていたのに対して、同国調査機関の世論財団(FOM)の出口調査では27.5%と大きな差があったことなどから、公正さに対する疑惑が強まっている。

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