2011/12/14

バルト三国

ラトビアで取り付け騒ぎ、預金者がATMに殺到

この記事の要約

ラトビアで11日から12日にかけて、スウェーデン最大手銀行スウェドバンクと同2位SEBの現地法人で、取り付け騒ぎが発生した。スウェーデンの銀行が危ないという情報が飛び交ったためで、両行の現金自動預払機(ATM)に預金者が […]

ラトビアで11日から12日にかけて、スウェーデン最大手銀行スウェドバンクと同2位SEBの現地法人で、取り付け騒ぎが発生した。スウェーデンの銀行が危ないという情報が飛び交ったためで、両行の現金自動預払機(ATM)に預金者が殺到。スウェドバンクでは12日朝の時点で、約300のATMのうち130カ所で紙幣が底をつき、SEBでも一時、244のATMの約15%で残金がなくなった。

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現地の報道によると、騒ぎの発端となったのは「スウェーデンの銀行が危ない」というツイッター情報。ラトビアの金融監督当局は「根拠のないうわさにすぎない」と発表。スウェドバンク現法の社長も12日朝のテレビで、「倒産の危機はない」と火消しに追われた。同行では12日朝までに1万人以上の顧客が総額1,000万ラト(1,430万ユーロ)をATMから引き出したが、預金額全体の約1%にすぎず、業務に支障なないという。

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ラトビアでは先週、リトアニア3位のスノラス銀行が10億ユーロ超の負債を抱えて経営破たんしたことから、同行のラトビア子会社も巻き添え倒産した。2008年の金融危機では、同国2位のパレックス銀行が資金繰りに行き詰まり国有化され、経済が混乱し、政府が欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に金融支援を要請した経緯がある。今回は欧州金融市場がユーロ圏の債務危機で再び動揺していることもあって取り付け騒ぎに発展したもようだ。

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