2011/12/21

ロシア

鉄鋼最大手エブラズ、同業2位との合併に前向き

この記事の要約

ロシアの鉄鋼最大手エブラズが、同2位セベルスタリとの合併に前向きな姿勢を示している。アブラモフ社長が13日、英『フィナンシャル・タイムズ』に明らかにしたもので、両社の合併は「理にかなうこと」と語った。これまでも両社の合併 […]

ロシアの鉄鋼最大手エブラズが、同2位セベルスタリとの合併に前向きな姿勢を示している。アブラモフ社長が13日、英『フィナンシャル・タイムズ』に明らかにしたもので、両社の合併は「理にかなうこと」と語った。これまでも両社の合併が話題になったことはあったが、経営陣が公に積極的な立場を明らかにするのは初めて。

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両社が合併すると生産規模で世界8位(約3,100万トン)、時価総額120億英ポンド(187億米ドル)の鉄鋼会社が誕生する。セベルスタリが主に白物家電・自動車産業向けの鋼板を生産するのに対し、エブラズは建築材やパイプライン用鋼管に軸足を置いており、事業の重複が比較的小さいことも動機のようだ。

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合併にはエブラズの最大株主であるアブラモビッチ氏と、セベルスタリの82%の株主で社長も務めるモルダショフ氏の同意が必要となる。

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モルダショフ氏はすでに2007年の時点でロシア鉄鋼業界の「再編に参加」する意向を示し、セベルスタリをエブラズと合併させることも検討に入れていたが、エブラズ側が難色を示していた。業界アナリストは主要株主に経営権を手放す用意がないことがその理由とみてきた。

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ING銀行のアナリスト、マトヴィエフ氏は「両社とも事業への投資資金は十分で、オーナーには現時点で合併しなければならない理由がない」として、取引が実現する可能性は低いとみている。

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投資会社トロイカ・ディアローグのアナリストらは、セベルスタリは現行のビジネスモデルがうまく機能しており、エブラズとの合併による利益がないと指摘。今回の動きは、エブラズ株を現金化したい同社の主要株主の意向を反映したものではと推測している。

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