2012/1/11

総合・マクロ

日本とロシア、ウラジオストクにLNGプラントを共同建設

この記事の要約

日本とロシアがウラジオストクに天然ガス液化プラント2基を共同で建設する。伊藤忠商事や石油資源開発(JAPEX)などがガスプロムと協力して実施するもので、2013年着工、2020年の稼動を目指す。モスクワ・タイムズが日本発 […]

日本とロシアがウラジオストクに天然ガス液化プラント2基を共同で建設する。伊藤忠商事や石油資源開発(JAPEX)などがガスプロムと協力して実施するもので、2013年着工、2020年の稼動を目指す。モスクワ・タイムズが日本発の情報として7日付で報じた。東北大震災に起因する原子力発電所の運転停止でガス火力発電の需要が大幅に増加している日本と、ガス田開発の重点を極東地域に移しアジア事業拡大を狙うロシアの利害が一致した格好だ。

\

プロジェクトはサハリン産の天然ガスをウラジオストクで液化するものだ。事業規模は1兆円で、年産能力各500万トンのプラントを2基設置する。総生産能力1,000万トンは日本の年間需要の14%に当たる。

\

伊藤忠商事グループ、JAPEX、丸紅、国際石油開発帝石(INPEX)が設立した極東ロシアガス事業調査会社は昨年4月、ガスプロムと共同調査の実施で合意。昨年末まで調査を行った結果、採算性が見込めることが判明し、今月中に事業化を大筋で決める運びとなった。

\

これまで、ロシアのLNG生産はガスプロムが主導するサハリン2プロジェクトで実施されているのみ。新プラントが稼動するとロシアのLNG生産能力は2倍に伸びることになる。

\

日本側もロシア産LNGの受け入れ態勢を整備しつつある。日本海側のLNG受け入れ基地は新潟に1カ所あるのみだが、北海道ガスの石狩LNG基地が今年12月、国際石油開発帝石(INPEX)が新潟・直江津港に建設中の基地が2014年にそれぞれ稼動する予定だ。(東欧経済ニュース2011年5月4日号「日本企業連合がLNG事業化調査でガスプロムと合意」を参照)

\