プーチン首相は12日、3月4日の大統領選挙に向けたネットサイト「www.putin2012」を立ち上げ、政権公約を掲載した。インターネットに懐疑的な姿勢を示していた同首相だが、12月の大規模な抗議集会がネットを利用して組織された事実などから、その威力を無視できなくなったもようだ。反対派は公約の内容に疑念を示すとともに、コメントを検閲していると批判。真の対話が実現するにはまだ時間がかかりそうだ。
\政権公約では幅広い国民の抗議を受けて、国家と市民の関係を見直す方向を打ち出した。国家権力の「行き過ぎた介入」が社会をゆがめ、モラルを傷つけているとしてこれをいさめ、社会を守る国家の責任を確保すると約束した。
\一方で、90年代の危機を克服して新興諸国の一員となり、世界政治におけるロシアの地位を回復させたと過去の自らの功績を強調。外交面では「ロシアの意見や国益を省みない外国の姿勢」を糾弾し、国際政治のいかなる決定にもロシアが参加していくとの意思を明確にした。
\経済政策については「高水準の原油価格とソ連時代の設備による生産に基づいた成長モデルは通用しなくなった」との認識を明らかにした。そのうえで、自発的な投資活動を促進する目的で私有財産の保護をはじめ、企業活動の自由を保障する方針を示した。
\国民に対しては、◇幅広い社会保障◇住宅環境の改善◇医療・保健サービスの向上◇教育サービスの向上――を約束した。
\一方で、米国で一般的な、候補者によるテレビ討論には「首相という立場上、参加できない」と発表した。
\選挙サイトの「提案・質問」コーナーには反対派から「辞任」の提案が数多く寄せられたが、その直後にこれらが消去され、好意的なものが掲載された。プーチン首相の広報官は「ハッカーの仕業」と説明しているが、反対派はソーシャルネットワークサイトを通じて「検閲行為」を糾弾。操作の証拠としてパソコン画面(スクリーンショット)を掲載した。
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