2012/1/18

ロシア

EUの温暖化ガス排出規制、ロシア航空会社に打撃

この記事の要約

欧州連合(EU)が今月1日から導入した航空機の温暖化ガス排出規制が、ロシアの航空業界にとって新たなコスト要因となっている。モスクワタイムズが10日、アルファ銀行のアナリストの話として報じた。EUの規制は、EU域内に発着す […]

欧州連合(EU)が今月1日から導入した航空機の温暖化ガス排出規制が、ロシアの航空業界にとって新たなコスト要因となっている。モスクワタイムズが10日、アルファ銀行のアナリストの話として報じた。EUの規制は、EU域内に発着する全ての航空機に二酸化炭素の削減を求めている。削減できなければ、未達分の排出枠を購入しなければならないため、航空会社のコスト負担が増えることになる。今回の規制強化によってロシアの航空会社は今年3,800万ドルの負担を強いられるとみられている。特に負担が大きいのは、ヨーロッパ便の3分の2以上を運航するアエロフロート。同社は今年だけでも運行コストが数百万ユーロ増えると予測している。

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ロシア政府は昨年12月、当該規制を18カ月延期するよう求めた。また、米国のノース・アメリカン・エアラインと貿易協会は、規制が国際法と領空主権に違反するとしてEU司法裁判所に提訴した。しかし、EU司法裁は、「欧州発着の航空機に限定したものであり、領空や主権の原則に違反するもではない」とし、訴えを棄却した。これにより、ロシアの要求もうやむやにされた。

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同規制は温暖化効果ガス排出権制度において、2012年は排出枠の85%、13~20年は82%を無償で割り当てるとしており、航空会社が2012年に実質負担するのは排出枠の15%になる。ロシア運輸省は、今年は欧州便の航空運賃が6~51ドル値上がりするとみている。

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