ウクライナ経済が順調に回復に向かっている。アザロフ首相は11日、2011年の実質GDP成長率が前年の4.2%を上回る約5%に達したと発表した。名目国内総生産(GDP)は暫定ベースで1兆1,170億フリブナに上った。第3四半期のGDPが前年同期比6.6%増と大きく伸びたことなどから、昨年12月時点で政府は通年で5.3%増との見通しを示していた。
\金融危機が世界を揺るがした2009年、ウクライナでもGDPが前年比マイナス15.1%に落ち込み、財政も大きく悪化。政府は昨年、国債の発行回数を減らすとともに発行額も減らして債務削減に取り組んだ。アザロフ首相によると、債務残高は2010年のGDP比約30%から27.3%に縮小し、単年の財政赤字もGDP比1.7%に縮小した。
\一方、中央銀行の慎重な金融政策と財政緊縮政策のおかげで、インフレ率は4.6%というウクライナとしては記録的な低水準となった。また、景気高揚を反映して実質賃金も8.5%と大幅な伸びを示した。(1UAH=9.56JPY)
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