2012/2/1

ロシア

ロシア国鉄、西タルゴと高速列車開発で提携

この記事の要約

ロシア国鉄(RZD)の研究機関であるロシア鉄道研究所(VNIZhT)は25日、スペインの鉄道車両メーカーのタルゴと、高速列車「タルゴ」のロシア向け車両の開発で基本合意、契約に調印した。モスクワと欧州を結ぶ国際路線での運行 […]

ロシア国鉄(RZD)の研究機関であるロシア鉄道研究所(VNIZhT)は25日、スペインの鉄道車両メーカーのタルゴと、高速列車「タルゴ」のロシア向け車両の開発で基本合意、契約に調印した。モスクワと欧州を結ぶ国際路線での運行に向けて、ロシアのインフラや気候に技術を対応させる。RZDはすでに昨年、「タルゴ」7編成の購入契約を結んでおり、年内にも運行を開始する予定だ。

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契約によると、◇客車の軌間をロシア標準の広軌に変更◇軌道の幅を自動的に変えるタルゴの軌間可変車両(フリーゲージトレイン)技術を冬季の低温に耐えられるよう改良◇ブレーキシステムを広軌車輪向けに適応◇タルゴと広軌鉄道インフラの電磁互換性の確認――の点で実証試験を行う。

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また、VNIZhTは、広軌鉄道インフラやロシアの鉄道車両の技術仕様、規格や規制などに関する情報をタルゴに提供する。

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RZDは昨年6月、タルゴと20両編成の「タルゴ」7編成の購入契約を結んだ。取引規模は1億3,500万ユーロ。このうち、モスクワ―ベルリン間で運行される3編成は、フリーゲージトレインを採用する。所要時間は現在の27時間から19時間に短縮する。残る4編成はモスクワ―キエフ間向けで、所要時間は13時間から7時間に縮まるという。RZDは現在、ロシアと欧州5カ国10都市を結ぶ国際列車を運行している。昨年12月にはモスクワ―パリ間で直行列車が走り始めた。

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■国外プロジェクトへの参加に意欲

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RZDのヤクーニン総裁は25日、南欧の鉄道近代化・拡充プロジェクトに積極的に関わっていく意向を示した。昨年3月に合意されたロシアの対セルビア融資8億ユーロの一部は鉄道に投資される見通しで、RZDはベオグラード駅および鉄道2区間の近代化でセルビア鉄道と提携する可能性があるという。

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また、イランのタブリズ―アザルシャフル区間の電化プロジェクト、ラシュト(イラン)―アスタラ(アゼルバイジャン)区間の新設プロジェクトへの参加も検討中だ。

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一方、欧州と中国を陸路で結ぶ鉄道幹線計画については、関係国間で多くの調整作業が必要になるとの見方だ。

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