ロシア国家統計局(ロススタット)が1月31日発表した2011年の国内総生産(GDP、速報値)は前年比4.3%増となり、市場予想の4.1%増を上回った。失業率の低下に加えインフレの記録的低水準が消費需要を押し上げた。
\11年の農業生産は大干ばつの影響で9.7%減となった前年から一転、16.1%のプラスとなった。建設も前年の3.2%増から4.8%増に伸びた。一方、天然資源は前年の7.1%増から1.7%増に、製造業は同8.3%増から6.1%増にそれぞれ減速した。バンクオブアメリカ・メリルリンチのアナリスト、ウラジーミル・オサコフスキー氏はブルームバーグの電話取材に対し、「製造業は輸出市場のトレンドに大きな部分が密接に結びついている。世界経済が減速すれば、製造業は確実にマイナスの影響を受ける」と説明している。
\世界最大のエネルギー輸出国であるロシアの経済は09年のリーマンショックの影響でマイナス成長に落ち込んだものの、その後は回復している。なお、国際通貨基金(IMF)は1月24日、世界的な景気減速を理由に、ロシアの12年のGDP成長率予想を3.3%に下方修正した。
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