2012/2/29

ロシア

国営送電会社MRSK、地方事業民営化を検討

この記事の要約

ロシアが送電事業の民営化に動き出す。全長200万キロメートルを超える送電網を運営する国営MRSKのデミドフ財務担当取締役はこのほどロイター通信に対して、一部の地方事業の売却を検討していることを明らかにした。同社は昨年3月 […]

ロシアが送電事業の民営化に動き出す。全長200万キロメートルを超える送電網を運営する国営MRSKのデミドフ財務担当取締役はこのほどロイター通信に対して、一部の地方事業の売却を検討していることを明らかにした。同社は昨年3月、トムスク州事業会社の経営を8年半の期限付きで仏エネルギー大手EDFに委託することを決め、民営化への布石を打っている。

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デミドフ取締役によると、MRSKはEDFと交わしたような経営委託契約を今後増やす方針で、特に欧州の有力電力会社との提携に関心がある。それと同時に、複数の地方事業を数年後に民営化する可能性についても、同社の金融顧問を務めるドイツ銀行、モルガン・スタンレー、VTBキャピタルのアドバイスを受け検討しているという。ロシアの発電市場には欧州エネルギー大手の独エーオンや伊エネルが進出しており、送電事業への関心も高いと見られる。

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ロシアはプーチン前大統領時代に電力市場自由化に着手し、発電事業では部分民営化を達成した。一方、送電事業は大きく後れをとっており、メドベージェフ大統領は昨年、MRSKの部分民営化が電力分野の効率化を進める上で有意義との見解を示していた。

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