ポーランドの検察当局が27日、工業用塩を食品メーカーに出荷していた企業の幹部5名を逮捕したことを受け、国内外に不安が広がっている。チェコ政府は6日、ポーランドからの食塩輸入を暫定的に禁止する措置を発表した。ポーランドの衛生監査局は29日に全国の食品加工食品メーカーの調査に乗り出したが、情報開示が遅れているため消費者からの批判が高まっている。
\摘発された食塩メーカーは過去10年間、毎月約1,000立方メータートンの路面凍結防止用の塩を食塩として出荷していた疑いがもたれている。ポーランド保健省は工業用塩が人体に影響を及ぼすことはないと表明しているが、国内の食品加工メーカーは国外からの受注が落ち込むのではないかと懸念している。
\一方、ポーランドの毒性学者であるユスチナ・クリムキェヴィッチ女史はTVN24(報道テレビ局)のインタビューで、工業用塩を長期間摂取すると含有物質の一部であるダイオキシンが体内に蓄積され、がんを誘発する危険性があると指摘。ダイオキシンは奇形児出産のリスクを高めるとし、妊婦は注意するよう呼び掛けている。
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