伊ウニクレディト傘下のバンク・オーストリアは13日、スロバキア電力最大手スロベンスケ・エレクタルネ(SE)と与信枠の打ち切りで合意したと明らかにした。オーストリアではSEが進めている原子炉の増設にバンク・オーストリアが資金を提供することに環境団体などから強い批判の声があがっていた。
\SEは西部モホフツェの原子力発電所で3号炉と4号炉を建設している。バンク・オーストリアはSEに設定している与信枠について運転資金を目的とするものであり、原子炉の建設をファイナンスするためのものではないと説明していたが、グローバル2000(フレンズ・オブ・アース・オーストリア)やグリーンピース・オーストリアなどの環境団体は、SEに融資することは間接的に原子炉の増設計画を推進させることにつながると批判。バンク・オーストリアにSEへの融資を取りやめるよう求めていた。同行がSEへの与信枠提供の打ち切りを決めたことについてグリーンピース・オーストリアのシネール氏は、「バンク・オーストリアとの交渉が実を結んだことに満足している」とコメントした。オーストリアは1978年に国民投票で原発廃止を決めており、スロバキアやチェコなど周辺国の原発増設に反対する声が強い。
\SEは当初、モホフツェ原発の3号炉は12年に、4号炉は13年に完成するとしていたが、先ごろ3号炉は13年末、4号炉は14年半ばになると発表した。
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