2012/3/21

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ブルガリアのベレネ原発計画、中止か

この記事の要約

ブルガリアで2カ所目の原子力発電所となるベレネ原電の建設計画が中止されるとの観測が浮上している。ボリソフ首相が16日に国営テレビで、同原発向けに近く納入される原子炉を、既存のコズロドゥイ原発に7号炉として設置すると話した […]

ブルガリアで2カ所目の原子力発電所となるベレネ原電の建設計画が中止されるとの観測が浮上している。ボリソフ首相が16日に国営テレビで、同原発向けに近く納入される原子炉を、既存のコズロドゥイ原発に7号炉として設置すると話したためだ。ベレネ計画を継続するかどうかは月末に正式決定する。

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ブルガリアは欧州連合(EU)加盟の条件に従い、コズロドゥイ原発1~4号炉(合計出力1,600メガワット)の稼働を2002年と06年に停止した。資源の乏しい同国の電力需要を賄うため、代わりにベレネ原発(同2,000メガワット)を建設することを計画し、2006年にロシア原子力公社(ロスアトム)と基本合意した。10年11月にはプロジェクトの事業母体となるベレネ・パワー・カンパニーの設立に関する趣意書に調印した。しかし、ロスアトムが求める建設費用の増額を巡って意見の調整がつかず、昨年10月に最終合意期限を今年3月末まで延長していた。

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ボリソフ首相は、プロジェクト顧問を務める英HSBCの分析結果を待って継続か否かの最終決定を下す意向だ。

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また、新しい原子炉は独シーメンスと仏アレバの安全システムを採用しており、EUの許可が得られればコズロドゥイ原発に設置すると話した。

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原発計画をめぐっては、ロシアに批判的なトライコフ経済エネルギー相が15日に解任されたことが見通しを難しくしている。オーストリアのエネルギー供給会社EVNのブルガリア子会社で監査役を務めたこともある同相は親欧派として知られ、ブルガリアにおけるロシアのエネルギープロジェクトに慎重な姿勢を示していた。

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