2012/4/18

ロシア

移動通信メガフォンの出資構成変更か、株主間で交渉中

この記事の要約

スウェーデン通信最大手のテリアソネラは11日、ロシア移動通信2位のメガフォンにおける投資パートナーのアルティモ(アルファグループ)およびAFテレコムと、同社の出資構成や将来の経営体制について交渉している事実を認めた。詳細 […]

スウェーデン通信最大手のテリアソネラは11日、ロシア移動通信2位のメガフォンにおける投資パートナーのアルティモ(アルファグループ)およびAFテレコムと、同社の出資構成や将来の経営体制について交渉している事実を認めた。詳細は明らかにしていない。

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現地紙『RBCデイリー』は今月2日、業界筋の情報として、アリシェル・ウスマノフ氏率いるAFテレコムがアルティモの持つメガフォン株25.1%を50億米ドルで買収することを目指していると報じた。実現すればAFテレコムは56.2%を握る過半数株主となり、ロステレコムや、第4世代携帯サービス「ヨタ(Yota)」を展開するスカルテルとの提携に新たな可能性が広がる。テリアソネラの出資比率は43.8%。

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ドイツのプライベートバンク、ベーレンベルク・バンクのアナリストであるバリー・ゼイトゥン氏は、「メガフォンとロステレコムが提携に向けて接近していることや、AFテレコムがメガフォンの配当を妨げていることから、何らかの動きが必要となっていた。メガフォンの流動資金は増え続け、資本構成に改善の余地がある」と分析している。

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テリアソネラとアルティモは2009年、両社が持つメガフォンとトルコ移動通信最大手トゥルクセルの株式を管理する新会社を設立することで合意した。所有関係を明確化するとともに配当額を増やすことが目的だった。しかし、トゥルクセル株式の売却をめぐる対立が原因で実現に至っていない。

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テリアソネラはこれについて、「アルティモとの合意は失効していない。メガフォンについて合意が成れば、トルコでの所有権問題の解決に集中できる」と期待感を示している。

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『ベドモスチ』によると、ウスマノフ氏はメガフォンの経営権を握り、株式交換によりスカルテルの多数株を取得して新しい電気通信会社を設立する意向だ。また、メガフォンの新規株式公開(IPO)もありうるという。

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