2012/5/9

ロシア

ノボシビルスクの格付け見通し引き上げ=S&P「ポジティブ」に

この記事の要約

米信用格付け大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は4月28日、ロシアのノボシビルスク市の格付け見通しを「ステーブル(安定的)」から「ポジティブ(強含み)」に引き上げた。\ S&Pはノボシビルスク市について、「財政 […]

米信用格付け大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は4月28日、ロシアのノボシビルスク市の格付け見通しを「ステーブル(安定的)」から「ポジティブ(強含み)」に引き上げた。

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S&Pはノボシビルスク市について、「財政運営の柔軟性と予見可能性に欠け、経済的な生産性が低い一方で、債務規模は適度な水準にあり、慎重な債務管理が行われ、経済に比較的多様性がある」と評価する。同市の財政は税収の増加とコスト抑制の効果で、2011年に公務員給与引き上げなど支出が増加したにもかかわらず良好なパフォーマンスを見せていおり、S&Pのベースケースシナリオによると、中期的には平均2%の黒字を達成できるという。

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S&Pは、ノボシビルスクの財政運営の柔軟性と予見可能性を損っている原因として、連邦政府が税率を規定し、様々なレベルに権限を分散していることを挙げる。また、工業部門を中心に経済の生産性は低く、ライフラインの整備状況も貧弱だと指摘する。一方で、同市はロシアで3番目に大きい都市であり、地域の経済センターとしての役割を持っており、サービス、運輸、研究開発などの部門に強みを持つなど潜在性は高いとの見方を示している。

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