ハンガリー議会は4日、予定していた中央銀行法の修正案採決を延期した。欧州中央銀行(ECB)が30日、修正内容が将来にわたって中銀の独立性を保証するには不十分との見方を明らかにしたためだ。政府はさらなる検討を経て、来月15日の閉会前に議会通過を目指す。これにより、国際通貨基金(IMF)との金融支援交渉再開がまたも延期されることが確実となった。
\ハンガリーは欧州債務危機の影響で通貨フォリントが大幅に下落し、同国政府は財政悪化のおそれがあるとして昨年11月、予防的措置として欧州連合(EU) とIMFに金融支援を要請した。しかしEUとIMFは、オルバン首相率いる保守政権が進める中銀改革が中銀の独立性を制限するとして、12月中旬に同国との事前協議を中断した。
\ECBは問題が残る点として、金融政策理事会の定数増や3人目の副総裁任命の規定を挙げ、前提条件が明確でなく、金融政策決定過程への影響行使に悪用される懸念があると指摘した。また、金融政策理事会の執行権や理事の報酬規定などでも懸念を表明した。
\国際通貨基金(IMF)との交渉を担当するヴァルガ前官房長官は、先ごろまで今月末の交渉再開を予想していたが、法案採決延期で「夏の間」と修正した。
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