2012/6/6

ロシア

ロシア合弁解消を検討

この記事の要約

英石油メジャーBPは1日、ロシア合弁会社TNK-BPの資本50%の売却を検討している事実を明らかにした。複数の買収打診を受け、合弁パートナーのAARに売却の可能性があることを伝えたとプレス発表した。\ 実現すれば、経営方 […]

英石油メジャーBPは1日、ロシア合弁会社TNK-BPの資本50%の売却を検討している事実を明らかにした。複数の買収打診を受け、合弁パートナーのAARに売却の可能性があることを伝えたとプレス発表した。

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実現すれば、経営方針をめぐるAARとの対立に終止符を打ち、ロシアにおけるプロジェクト参加の可能性が広がるとみられる。また、推定300億米ドルの売却収入で、2010年のメキシコ湾原油流出事故に関連する莫大な経費負担を軽減できる。一方で大きな収入源であるTNK-BPを手放すことで財務悪化も懸念され、他の石油メジャーによる買収の標的になりかねないとみる声もある。

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買収に関心を示している企業としてはAARのほか、ロシア石油最大手のロスネフチ、ガスプロム、中国石油化工集団(Sinopec)、中国海洋石油総公司(CNOOC)などがうわさされている。

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BPは、ロシア富豪4人が結成した投資会社AARと折半出資で2003年にTNK-BPを設立した。BPの石油生産の3分の1を占めるなど、大きな収入をもたらす一方で、AARとの軋轢(あつれき)が消えることはなかった。

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今回、対立が激化したのは、昨年1月にBPがロスネフチとの大型提携計画を発表したことがきっかけだ。TNK-BPの優先を定めた提携契約に違反しているとしてAARが調停機関に提訴し、ロスネフチとの提携は挫折した。先週には株主の一人であるTNK-BPのフリードマン社長が辞任を表明し、株主間の信頼関係が失われたと話していた。

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