独自動車大手のダイムラーが目指している、ロシアのトラック最大手のカマズ(Kamaz)への出資比率を引き上げる計画は年内の実現が難しくなっている。カマズの筆頭株主(49.9%保有)である国営持ち株会社ロステクノロジーのセルゲイ・チェメゾフ最高経営責任者(CEO)がこのほど、ノーボスチ・ロシア通信に明らかにした。
\チェメゾフCEOは今年2月、ダイムラーがカマズの経営支配権を取得する意向であると表明した。ダイムラーは2010年2月にカマズへの出資比率を11%に引き上げていた。また、ダイムラーとパートナーを組む欧州復興開発銀行(EBWE)もカマズの株式の4%を取得した。
\ダイムラーは今年3月、ロシアの投資銀行トロイカ・ディアローグからカマズの株式の10%を取得し、出資比率を25%プラス1株に引き上げ、少数阻止株を握った。(東欧経済ニュース3月21日号「独ダイムラー、ロシア商用車最大手の少数阻止株獲得へ」参照) トロイカ・ディアローグは現在、カマズの株式の27%を保有するが、2016年に売却すると発表していた。
\カマズはロシア最大、世界11位のトラックメーカーで、ディーゼルエンジンの生産では世界最大手の一つ。従業員数は約5万9,000人。年産能力はトラックが7万1,000台、エンジンが6万基、バスが1,500台となっている。
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