ウィーン国際経済比較研究所(WIIW)はこのほど、中東欧への外国直接投資(FDI)が冷え込むとの見通しを示した。特に中東欧のEU加盟国は、主要輸出先である西欧諸国からの投資が景気悪化を受けて消極的になると見られ、今年は11%程度減少すると予測している。
\WIIWによると、今年第1四半期に早くも新投資プロジェクト件数と投資企業数が大幅に減少している。西欧企業の進出が活発なチェコ、ポーランド、スロバキアなどでは設備投資が一巡し、飽和状態に達していることも理由としている。企業に厳しい経済政策をとるハンガリーでは今年はFDIが43%減と低迷し、旧ユーゴスラビアなどバルカン諸国でも7%減少すると予測している。
\一方、ロシアを始めとした旧ソ連独立国家共同体(CIS)諸国は、石油・天然ガス開発への投資が活発なため、西欧景気の影響を受けず、むしろFDIは1.5%増加するとWIIWは見ている。中東欧・CIS全体で見るとFDIは3%減少すると予測している。
\