ファーストフード大手のバーガーキングは5日、ロシアに数百店舗を新設する計画を発表した。バーガーキング・ヨーロッパ、投資会社のVTBキャピタル及び、コーヒーチェーン「シュコラドニツァ(Shokoladnitsa)」のオーナーであるアレクサンドル・コロボフ氏がフランチャイズ権を共同で所有する。
\コロボフ氏はロシアでバーガーキングのフランチャイズ54店を運営している。
\VTBキャピタルは、当初5年で1億米ドルを投資する計画だ。これにより、展開数を5年後に300店以上に増やす。
\VTBキャピタルでは「ロシアの消費者はブランドに敏感で、高品質の製品を好む」と話し、バーガーキングだけでなく、フランチャイズ部門が大きく成長すると予測する。
\一方で、店舗網拡大の障害となっているのが資金調達だ。ロシアの銀行では、フランチャイズ店も一般の起業と同じとみなし、10%以上の高い金利を要求する。
\大手銀行としてはズベルバンクが唯一、フランチャイジー向けの融資プログラムを持つ。同行はロシア・フランチャイズ協会と共同で起業プログラムを開発し、昨年11月に貸し出しを開始した。
\同行が認定した13のチェーン店についてフランチャイズ店を立ち上げる場合に、プロジェクト総費用の最大80%、最高300万ルーブルを限度に融資する仕組み。金利は17.5~18.5%と高いが、無担保融資が可能だ。
\ただ、融資申請数500件のうち、契約が成立したのはわずか4件にとどまっている。銀行側が20~60歳の起業家を標的としているのに対し、フランチャイザーがパートナーとして選ぶのはすでにフランチャイズ店を成功させた「リピーター」が多いことが背景にあると推測される。
\ロシア・フランチャイズ協会では、他の業務形態に比べてリスクが小さいことから、銀行の貸出金利は今後下がると楽観的だ。また、自動車と同じで店舗に資産価値があるため、無担保ローンも実現するとみている。
\ファーストフード大手はロシア事業を強化する傾向にあり、世界最大手のマクドナルドも今年4月、ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)やTGIフライデーズのフランチャイズ店を経営するロスインターと契約したばかり。ロシアではこれまで直営店のみの展開だったが、インターロスが空港や駅にマクドナルドのフランチャイズ店を設置することに合意した。
\このほかにも、サンドイッチ・チェーンのクイズノスが3月に現地のQRLと提携し、2014年までに20店舗以上を新設すると発表。ウェンディーズ・アービーズは昨年6月に第1号店を出店した。サンドイッチ・チェーンのサブウェイは2015年までに店舗網を1,000店超に強化する方針だ。
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