ロシア政府が出資する固定通信大手のロステレコム(ROS)は、2013年初めまでに国内27の地域に移動体通信網を整備して携帯電話サービス市場に本格参入する計画だ。ROSの広報責任者が14日、現地日刊紙『Vedomosti』に明らかにした。
\計画によると、サンクト・ペテルブルグやクラスノダールなど27の地域で第3世代の移動体通信網(3G)を整備する。モスクワとサンクト・ペテルブルグでは、通信事業者のスカイリンクが持っている通信網を活用する計画。ROSは今年、スカイリンクの最大株主である国営通信持ち株会社スバヤジインベスト(Svyazinvest)から資本を取得することになっている。
\ロシアの携帯電話サービス市場は、モバイル・テレシステム(MTS)、メガフォン、ヴィンペルコムの3大手がほぼ独占しており、当該分野ではROSの存在感は薄かった。しかし、Vedomosti紙によると、ROSは2015年までに当該市場におけるシェアを10%に引き上げることを目指している。
\一方、ロシア情報技術・通信省は14日、近く第4世代(4G)移動体通信サービスの周波数帯入札を実施すると発表した。入札にはROSのほか、MTS、メガフォン、ヴィンペルコムの3大手、スウェーデンの通信大手Tele2傘下のTele2-VoronezhとTele2-Omsk、Summa Telecom、トランステレコムの8社が参加する予定。落札企業は7月12日に発表される。業界専門家は3大手とROSが落札する可能性が高いと見ており、これが実現すると、ROSにとって市場シェアの拡大に向けて追い風となりそうだ。
\