ロシアで銀行融資が急速に拡大していることに関し、大手格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)が、不良債権の増加につながり金融機関の経営を圧迫する恐れがあると警告している。ロイター通信が13日付けで伝えた。
\S&Pロシアのアソシエート・ディレクター、ロマノワ氏は、昨年の融資成長率が25~27%となり、今年も高い伸びが予想されることに言及し、「融資の急増は主要リスクのひとつだ」と指摘。また、不良債権が債権全体に占める割合でも絶対額でも拡大していることにも懸念を表明した。
\ロシアでは世界金融危機から経済が回復軌道に乗るとともに融資活動が再び活発となったが、それに伴い不良債権も増加している。金融大手ウラルシブのまとめによると、融資全体に占める不良債権の比率は今年4月に5%となり、年初の4.7%から上昇した。ロシア中央銀行のスホフ副総裁は、不良債権の総額は1兆2,000億ルーブル、そのほか金利減免債権が1兆6,000億ルーブルに達していることを明らかにしたうえで、「好ましくないシナリオが現実となる可能性は低い。…ただ、困難な状況はいつも同じというわけではなく、我々は対応できるよう準備を整えておく必要がある」と述べた。
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