米石油大手のエクソンモービルは、ポーランドのシェールガス開発事業から撤退する。現地紙「ワルシャワ・ヴォイス」が19日報じた。エクソンは撤退の理由として、試験ボーリングで、商業化するのに十分な量のガス「炭化水素」を確認できなかったことをあげている。同社は今月、開発権を取得している6鉱区のうち2鉱区で試験ボーリングを完了している。
\今回の決定の背景には、エクソンが進めるロシアにおける共同開発事業があるとされている。同社は15日、ロシアの同業ロスネフチと西シベリアの石油開発及び北極海での資源開発事業で協力する協定を締結した。関係者によると、ロスネフチは提携の条件として、エクソンがポーランドのシェールガス事業から撤退することを挙げていたという。
\これについて、ポーランドのヴァルデマル・パヴラク副首相兼経済相は、「エクソンは現在、ロシア企業との事業提携に注力している。ここで(ポーランドで)シェールガス開発を継続する方が不可思議だ」と述べ、エクソンの今回の決定に一定の理解を示した。
\なお、ポーランドでは現在、同国の石油・ガス開発公社PGNiGなど約20の国内・国外企業が約110の鉱区で試験ボーリングを行っている。
\ \■米石油大手3社、ポーランドにおけるシェールガス開発を継続
\ \米石油大手のシェブロン、コノコフィリップス、BNKペトロリウムの各代表は、このほど開催されたポーランド・アメリカ経済サミットで、ポーランドにおけるシェールガス開発事業を今後も継続する意向を表明した。3社とも、撤退は考えていないという。
\現段階で、BNKは1鉱区、シェブロンは2鉱区で試験ボーリングを終了している。BNKは残り1鉱区の試掘作業に入っている。シェブロンはこれから残り20鉱区の試掘を開始する予定。
\一方、コノコフィリップスは、1年前に実施したハイドロ・フラッキング (水圧破砕法)による試掘調査の結果を待っている段階という。これについては、ガス流量が予想を下回っていたとの憶測もある。
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