チェコのエネルギー産業ホールディング(EPH)が20日、スロバキアのガス大手SPPの株式49%の取得に向けて、スロバキア政府と交渉を持ったもようだ。経済省の資料で明らかになったもので、交渉に近い筋によると、経営権も議題に上った。
\スロバキア政府は2002年に仏GDFスエズと独エーオン・ルールガスからなる企業連合「スロバキア・ガス・ホールディング」にSPP株式の49%を27億米ドルで売却した。今回EPHが取得を目指しているのは、この株式だ。51%は政府が継続保有している。経済省資料によると、交渉では将来的な出資構成の変更にスロバキア政府が応じるかどうかが一つの焦点となっている。
\SPPは年間供給能力が900億立方メートルに上り、欧州連合(EU)におけるガス消費量の14%を供給する大手だ。同社のパイプラインは、ガスプロムによる対EU輸出の主要ルートでもあり、戦略的に重要な位置を占める。
\ただし、SPPはガス供給・輸送に関する長期契約を保有するが、ロシアがノルド・ストリームやサウス・ストリームなど他の供給ルートを採用すれば、経営に打撃を受けかねない。
\EPHは先月、チェコにおける大規模な取引の資金として、チェコ大手銀行11行から合計10億ユーロ(12億6,000万ドル)を調達する融資契約の調印が間近と発表した。また、チェコ、ドイツ、スロバキアの事業強化におよそ30億ユーロを支出する方針も明らかにした。(東欧経済ニュース3月28日号「チェコのエネルギー企業EPH、大規模な買収を予定」を参照)
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