チェコ中央銀行はこのほど、国内金融市場の安定性に関する報告書『Financial Stability 2011/2012』を発表し、ユーロ圏の金融不安が国内の金融安定性を脅かす主要因となっているが、「備えは十分で、安定性を維持している」との楽観的な見方を示した。
\報告書によると、チェコの金融業界は昨年、「外的リスクに対して非常に弾力性があり、そのおかげでユーロ圏危機の国内経済への影響も限定的」だった。国内金融システムの土台として健全かつ十分な資本基盤を持ち、長期的に収益性を確保し、顧客預金が貸出を上回る状況も維持してきた。中銀は外国親会社の経営状況がチェコ子会社に及ぼすリスクも安全圏内にあるとしつつも、今後の動向を注視するとしている。
\チェコの金融市場の安定性を支える要因のひとつとして、資本準備金額が高いことを中銀は指摘する。自己資本比率は国際最低基準の8%を超えており、大手顧客の倒産や親会社によるリスクが浮上した場合でも、資本強化が必要な複数の銀行を除き不安がないと見ている。
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