2012/6/27

バルト三国

リトアニア議会、ヴィサジナス原発建設計画を承認

この記事の要約

リトアニア議会は21日、同国東部のヴィサジナスに原子力発電所を新設する計画を承認した。抗議の印として反対派議員が欠席したことで、定数141の議会で議決に参加したのは74人にとどまったが、このうち70人が日立製作所との契約 […]

リトアニア議会は21日、同国東部のヴィサジナスに原子力発電所を新設する計画を承認した。抗議の印として反対派議員が欠席したことで、定数141の議会で議決に参加したのは74人にとどまったが、このうち70人が日立製作所との契約を支持した。

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クビリウス首相率いる保守派政権は、同契約をエネルギー政策上の安全を確保し、欧州エネルギー網への統合を推進するものとして「画期的」と評価した。同時に、長期的な雇用創出につながると指摘した。一方で野党は日立との契約に含まれる財政的リスクが大きすぎるとの見方だ。また、福島第一原発事故の後に日本企業に建設を委託するのは無責任と主張している。

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ヴィサジナス原発は2015年に着工し20年に完工する計画だ。ラトビアとエストニアもプロジェクトに参加している。バルト三国はすべて、ロシアへのエネルギー依存が大きい。ロシアがエネルギー供給元としての立場を利用して政治的に圧力をかける可能性が懸念され、依存脱却は安全保障問題の一環としてとらえられている。

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ロシアは、リトアニアとポーランドの間に位置する飛び地領カリーニングラードに原発を建設中。電力供給過剰の状況を作り出し、ヴィサジナス原発の採算性を低下させるためと推測されている。

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また、リトアニア政府によると、ロシア政府は国際協定で義務付けられている原発の安全性に対する質問に回答を拒んでいるという。一方でヴィサジナス発電所の安全性が不十分と主張し、計画を妨害しようとしていると警戒する。

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リトアニアは欧州連合加盟に先立ち、ソ連型のイグナリナ原発の運転停止を約束。2009年末に稼働を停止した。

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