ロシア2位の天然ガス会社ノバテクは、独エネルギー大手EnBWと10年間のガス供給契約を締結した。ロイター通信が13日、両社に近い筋の話として伝えた。ロシアから欧州への天然ガス輸出は現在、政府系天然ガス企業ガスプロムが独占しているが、ノバテクとEnBWの合意によってこの体制が崩れる可能性が高くなった。
\ノバテクは10月からスイス子会社ノバテク・ガス＆パワーを通してEnBWに供給を開始する。供給量は年間19億立方メートル。ノバテクは今回の契約締結に関するコメントを拒否している。EnBWは、外国企業と供給契約を結んだことは認めているものの、契約先の名前は明らかにしていない。
\今回の契約は、ノバテクがロシア産の天然ガスを供給することを条件とはしていない。ロシアの法律では天然ガスの輸出権はガスプロムだけに認められおり、ノバテクが国産のガスを輸出するためにはガスプロムと政府の承認が必要となるためだ。「ノバテクはロシア産ガス以外であれば、どの国で産出されたガスでも取引できる」投資銀行トロイカ・ディアローグのアナリスト、マクシモフ氏は説明する。「ただ、ロシアからガスを輸出するなら、ガスプロムと政府から同意を取り付けなければならない」。
\ノバテクは2011年に520億立方メートルの天然ガスを生産した。今年は570億から580億立方メートルを見込んでいる。
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