ガスプロムは8日、日本の資源エネルギー庁と、ウラジオストクにおける液化天然ガス(LNG)プロジェクト推進に向けた覚書を交わした。資金調達やガス販売を含めて提携をさらに前進させる狙い。
\ガスプロムのミレル社長は、今回の覚書でLNGプロジェクトが実施段階に入るとコメント。同プロジェクトが、ロシア東部における統一ガス供給システム(UGSS)の発展と、日本などアジア太平洋市場へのガス輸出拡大につながると期待感を示した。
\ロシアと日本は昨年、ウラジオストク地域におけるLNGプラント建設に向けた調査で合意。伊藤忠商事や石油資源開発が出資する極東ロシアガス事業調査株式会社が、ガスプロムと共同で、アジア太平洋地域への天然ガス・化学製品の輸送・販売を含む事業化調査を実施した。その結果を受けて今年1月に極東ロシアガスとガスプロムはプラントを共同で建設することを決定し、日露政府も6月に同プロジェクト推進で協力することで合意していた。
\ガスプロムは、アジア太平洋地域へのガス供給量が数年以内に欧州向けを超えるとみており、これに適した生産・輸送・供給システムを整備する「イースタン・ガス・プログラム」を推進している。(東欧経済ニュース2月22日号「日露合弁のLNGプラント建設計画、投資額算定へ」、1月11日号「日本とロシア、ウラジオストクにLNGプラントを共同建設」、2011年6月1日号「ガスプロムと日本企業、極東LNGプラント建設に70億ドル投資」、同5月4日号「日本企業連合がLNG事業化調査でガスプロムと合意」を参照)
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