2012/9/19

ロシア

ロシア中銀、ズベルバンク株7.58%を売却

この記事の要約

ロシア中央銀行は17日、国内最大の金融機関であるズベルバンクの株式7.58%を放出すると発表した。1,560億ルーブル(50億米ドル)以上の調達を見込む。放出後も中央銀行はズベルバンクの50%プラス1株を保有することにな […]

ロシア中央銀行は17日、国内最大の金融機関であるズベルバンクの株式7.58%を放出すると発表した。1,560億ルーブル(50億米ドル)以上の調達を見込む。放出後も中央銀行はズベルバンクの50%プラス1株を保有することになる。

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ズベルバンクの株式放出は政府の大規模な民営化計画でも大きな比重を占める。昨年秋に実施される予定だったが、市場環境や政治的な不確定要素、資源価格の大きな変動などを理由に、何度も延期されてきた。しかし、欧州中央銀行(ECB)がスペインなど重債務国の国債を無制限に購入する決定を行ったこと、連邦準備制度理事会が量的緩和策に踏み切ったことで市場環境の改善が見込まれるため、今回、実施の運びとなった。

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売り出されるのは普通株17億株で、価格は91ルーブル(3ドル)と募集締切時の市場取引価格の間で決定される。株式の大半はロンドン証券取引所で公開され、機関投資家に売却される。また最大15%はモスクワのMICEX-RTS証券取引所で取引されることになる。

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政府は民営化を通じ、今年だけでも3,000億ルーブル(90億ドル)の調達を狙っている。6月にメドベージェフ首相が承認した計画によると、ズベルバンクのほか、来年中に海運最大手ソフコムフロートの株式50%、ロシア鉄道(RZD)の25%を民営化することになっている。

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ズベルバンクは2007年に上場し、その時価は690億ドルと、ロスネフチ(730億ドル)に次いでロシア国営企業として2番目に大きい。金融機関として欧州3位の規模を誇る。国内に7,000万人の個人顧客を持ち、リテール市場で46.1%のシェアを占める。最終利益は昨年通期に100億ドルを超え、今年上半期も56億5,000万ドルを計上している。

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2月には墺フォルクスバンクの東欧事業を、6月には仏白系デクシアからトルコのデニスバンクを買収するなど、国際化を推進中だ。

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