2012/10/4

ロシア

ロシア航空機産業、前途多難

この記事の要約

ロシアのロゴジン副首相が先ごろ提案した国内航空機産業支援策は、現実的とは言えないようだ。国内線での国産機採用を促進するため、国産機を購入する国内航空会社に資金を融資するとの内容だが、品質の問題が解決されない限り、大きな効 […]

ロシアのロゴジン副首相が先ごろ提案した国内航空機産業支援策は、現実的とは言えないようだ。国内線での国産機採用を促進するため、国産機を購入する国内航空会社に資金を融資するとの内容だが、品質の問題が解決されない限り、大きな効果は期待できない。

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ソ連崩壊とともに衰退した航空機産業。国外競合との差は開くばかりだ。国内でもエアバスやボーイングを購入する航空会社が多い。

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ロシアで20年ぶりの新型旅客機、スホイ「スーパージェット100」は昨年、運行を開始した。しかし、大きな期待とは裏腹に売れ行きは伸びていない。導入した航空会社からは、エアコンやコックピット・コンピューター、客室の気圧調整システムの不調が複数報告され、出発空港へ戻ったり、緊急着陸したケースもあったという。

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アエロフロートは、頻繁な修理で運行できる時間が少なすぎるとして提訴に踏み切った。

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昨年5月、デモフライト中にインドネシアで墜落し、招待客ら45人が死亡したこともスーパージェットのイメージダウンにつながった。原因は人為ミスだったが、7月に英国で開かれた見本市「ファンボロー国際航空ショー」での受注はゼロだった。これまでの受注数は150機強にとどまっている。

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スホイでは、国営の対外経済銀行(VEB)から8月に借り入れた10億米ドルを資金に、スーパージェットの開発継続・近代化を実施する予定だが、前途は明るいとはいえないようだ。

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このほかにも、スホイなどのロシア航空機メーカーで構成するユナイテッド・エアクラフト(UAC)は短距離・中距離航空機の開発を計画。中国商用飛行機(Comac)とは長距離ジェット機を共同開発する方針だ。

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ロシア産業省は先ごろ、世界民間航空機市場におけるロシアのシェアを2025年までに10%へ引き上げる従来目標を3%へと大幅に下方修正した。現行のシェアはわずか0.11%にとどまっている。

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