2012/11/14

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ルーマニア、2015年のユーロ導入目標見直しか

この記事の要約

ルーマニア政府が2015年のユーロ導入目標の見直しに入ったもようだ。政府高官は改革実行に当たって通貨を統制できることが重要とみている。一方、経済関係者らは持続的な経済成長の実現には、もっと時間がかかるとの見方だ。\ ルー […]

ルーマニア政府が2015年のユーロ導入目標の見直しに入ったもようだ。政府高官は改革実行に当たって通貨を統制できることが重要とみている。一方、経済関係者らは持続的な経済成長の実現には、もっと時間がかかるとの見方だ。

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ルーマニアは2007年の欧州連合(EU)加盟で経済改善を期待していた。しかし、ユーロ圏諸国の経済は伸び悩み、ギリシャ、スペイン、ポルトガルなど周縁国での失業率が上昇している。

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ルーマニアはEU加盟国中、2番目に貧しく、経済的状況からもユーロ導入は難しい。

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ムグル・イサレスク中銀総裁は先ごろ、2015年のユーロ導入は「論外」との見方を示した。自国通貨を維持する利点として、金利設定や流動性の統制、為替相場の下落による財政赤字の抑制が可能となることをあげている。

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RBS銀行のシニアエコノミスト、コズマンカ氏は「欧州法の条文には出てこない、労働生産性や一人当たり国内総生産、経済の枠組みなどの格差縮小が肝要」と話す。その実現に向けては改革を推進し、経済措置を実行する必要があり、課題は大きいとみる。

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ポンタ首相も同様に、「財政赤字やインフレ率といった基準達成に取り組むことはもちろんだが、現実的な問題を慎重に観察することも重要」とし、2015年の導入にはこだわらない姿勢だ。

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欧州委員会の秋季経済予測によると、ユーロ圏経済は今年、0.4%縮小する見通し。一方、ルーマニアは0.8%とわずかながらも成長する予想だ。来年についてもユーロ圏は0.1%増、ルーマニアは2.2%増の予測となっている。

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