中国輸出入銀行はウクライナに対し、36億5,000万米ドル(28億3,000万ユーロ)の融資を実施する。今年7月の政府間協定に基づくもので、ナフトガスの火力発電所の燃料をガスから石炭に転換するための設備投資を支援する。ウクライナはこれにより、2017年までにロシアからのガス輸入を年間30億立方メートル縮小する。
\プロジェクトでは既存のガス火力発電所の改修とガス化設備の新設が計画されている。ウクライナのロシア産ガス調達価格は1,000立方メートル当たり約420米ドル。これに対して石炭ガスの生産コストは300ドルと推定され、経済面の効果は高い。
\インスブルック大学のゲルハルト・マンゴット教授(東欧・旧ソ連地域政治学)によると、ロシアはガス価格を通じてウクライナに圧力をかけ、パイプライン運営会社の売却を促そうと試みた。しかし、これが逆効果となり、ウクライナのエネルギー多様化の試みを前進させることとなった。
\ただし、2009年のガス供給契約でウクライナは10年にわたり年530億立方メートルのロシア産ガスの調達を義務付けられている。ロシアが国際調停裁判所に提訴すれば制裁金支払いは必至で、石炭ガス化プロジェクトによるコスト削減効果も帳消しになる。(東欧経済ニュース9月5日号「ウクライナが燃料転換プロジェクトを実施、天然ガスの輸入削減狙う」を参照)
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