欧州委員会は24日、エネルギー分野の単一市場形成を目的とした電気・ガス市場の自由化に関するEU指令を順守していないとして、ブルガリア、エストニアと英国に制裁金を課す方針を明らかにした。EU司法裁判所が承認すれば、ブルガリアは1日につき約8,450ユーロ、エストニアは9,300万ユーロの支払いを命じられることになる。
\EU加盟国は2011年2月、2014年までにエネルギー分野における単一市場の完成を目指すことで合意し、実現に向けて電気・ガス市場の自由化と統合に関する2つの指令を順守することを確認した。加盟国は11年3月までに両指令に沿って国内法を整備することが義務づけられていたが、欧州委は昨年、期限までに国内法を制定できなかった8カ国に対して履行義務違反の手続きを開始。このうち英国、ブルガリア、エストニアは2段階の警告にもかかわらず、なお法制化の作業が完了していないため、EU法の法的手続きに踏み切った。
\また、英国ではイングランド、スコットランド、ウェールズでエネルギー市場の開放が進んでいるものの、自治政府の発足が遅れた北アイルランドではEU指令に基づく国内法の適用が遅れている。このため、北アイルランドで電気・ガス市場の自由化に関する2つの指令が完全に遵守されるまで、1日につき29万6,000ユーロ(1つの指令につき14万8,000ユーロ)の制裁金を課すとしている。
\