カスピ海周辺国の天然ガスをトルコ経由で欧州に運ぶ「ナブッコ・パイプライン」プロジェクトの推進母体であるナブッコ・ガスパイプライン・インターナショナル(NIC)は4日、アゼルバイジャン産天然ガスを欧州に輸出する「トランスアナトリア・パイプライン(TANAP)」計画を進めるTANAPドアルガス・イレティムと提携することで基本合意したと発表した。
\ナブッコはカスピ海地域の天然ガスを、ロシアを迂回して欧州に輸出する「南ガス回廊」構想の中核を成すパイプライン。現在建設が計画されている「ナブッコ・ウエスト」はトルコとブルガリア国境からルーマニア、ハンガリーを経由してオーストリアに至るルートを走り、年間100億~230億立方メートルの輸送能力を持つ。一方のTANAPはトルコとグルジアとの国境付近からトルコの東西を横断し欧州方面に伸びるパイプラインで、輸送能力は年160億立方メートル。
\NICとTANAPは今回、技術その他の戦略に関する情報交換を促進し、プロジェクトの発展を相互にサポートしていくことで合意した。NICのミチェク社長は、「この合意は、南ガス回廊構想の実現に欠かせない2つのプロジェクトの関係を強固にするとともに、欧州のガス供給を多様化するという共通目標の達成に一歩近づくものだ」とのコメントを発表した。
\