ベルギー金融大手KBCは12日、スロベニア最大の銀行であるノヴァ・リュブリャンスカ・バンカ(NLB)の株式22%の売却手続を完了したと発表した。これにより、KBCはNLBから資本を完全に引き揚げ、正式に撤退した。
\KBCは昨年末にNLBの株式22%をスロベニア政府に売却することで合意した。価格は1株当たり1ユーロで、売却総額は276万5,000ユーロ。KBCは世界金融危機の際にベルギー政府から70億ユーロの公的資金の注入を受けたため、欧州委員会から資産売却を義務付けられており、NLBも売却の対象に入っていた。NLBは多額の不良債権を抱え、2009年から3年連続で赤字決算となっている。新しい自己資本比率規制に対応するため、年内に資本注入が必要となる見通しだ。
\KBCは2002年にNLBの株式34%を4億3,500万ユーロで取得した。06年には多数株の取得に動いたものの、当時のヤンシャ政権の反対で実現しなかった。その後はNLBから距離を置き増資に参加しなかったため、出資比率は低下していた。NLBへの出資比率は政府が62.2%、国営の基金である年金障害基金(KAD)と賠償基金(SOD)が計19%弱となっている。
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