2013/4/10

チェコ・スロバキア

スロバキアの評価曇る、国際比較では依然人気

この記事の要約

スロバキアは労働法改定などを反映して評価が下がっているものの、国際比較では依然として魅力的な投資先――同国に進出している外国企業を対象に6カ国の商工会議所が実施したアンケート調査で、こんな事実が明らかになった。\ フィツ […]

スロバキアは労働法改定などを反映して評価が下がっているものの、国際比較では依然として魅力的な投資先――同国に進出している外国企業を対象に6カ国の商工会議所が実施したアンケート調査で、こんな事実が明らかになった。

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フィツォ内閣は今年初めから法人税率を4ポイント増の23%に、高額所得者の所得税を6ポイント増の25%へ引き上げた。これを反映して、企業の税負担感が増している。

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また、労働法改定では、◇残業・有期労働契約の制限◇労働組合の強化◇解雇通告期間を2倍に延長◇解雇一時金の倍増――が実施された。このため、「労働法の柔軟性」に対する評価も下がった。

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労働コストも上昇が予想されている。低賃金労働や季節労働に社会保険料の納付義務が拡大されたためだ。

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スロバキアの景気見通しについては57%が「悪化する」とみている。一方で自社の業績については55%が「満足」しており、「良い」としたところも35%に上った。25%が投資・増員を予定しており、企業の景気はそれほど悪くなさそうだ。

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スロバキアの立地条件は高く評価されており、企業の81%が進出を正しかったとみている。また、中東欧地域20カ国の中ではチェコ、ポーランド、エストニアに続いて4番目の人気を誇る。

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長所としては、◇欧州連合(ユーロ圏)加盟国◇生産性の高さ◇労働者の意欲◇被用者のスキル◇現地部品メーカーの層の厚さ◇労働コスト――が挙げられる。

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逆に改善の余地があるのは◇法的枠組みの安定性◇公的入札の透明性◇汚職対策――という結果が出ている。

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同調査は今年2月、スロバキアで事業を営むドイツ、オーストリア、英国、フランス、オランダ、スウェーデンの企業187社を対象に行われた。業種別では製造業が46%、販売業が19.8%、サービス業が34.8%を占めた。

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