2013/4/24

チェコ・スロバキア

チェコの繊維産業が回復基調に

この記事の要約

チェコの繊維業界は回復基調が続いている。業界団体の繊維・衣料・皮革産業連盟(ATOK)がこのほど発表した国内メーカーの2012年の売上高は前年比8.4%増の501億コルナとなり、5年ぶりに500億コルナ台に復帰した。\ […]

チェコの繊維業界は回復基調が続いている。業界団体の繊維・衣料・皮革産業連盟(ATOK)がこのほど発表した国内メーカーの2012年の売上高は前年比8.4%増の501億コルナとなり、5年ぶりに500億コルナ台に復帰した。

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繊維業界が好調な背景には、売上高の14%を占める自動車産業向け繊維製品の需要が拡大していることがある。米ジョンソン・コントロールズは南ボヘミア州ストラコニツェでシートカバーを生産している。南モラビア州に本社を置く国内3位の繊維メーカー、コルダルナは独タイヤ大手コンチネンタルにタイヤコードを供給している。

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チェコの繊維業界の売上高の3分の2は外資傘下の企業が占めるが、内資企業として不織布メーカーのペガスが存在感を示している。同社は不織布メーカーとして欧州有数の規模を誇り、昨年の売上高が前年比13%増の1億9,000万ユーロだった。

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繊維業界は今後、ナノファイバーなどのハイテク素材の開発に力を入れる考えで、かつて繊維産業の中心地だったリベレツを中心に、ナノ素材のメーカーが集積しつつある。ナノファイバーの世界市場は年30%の勢いで成長しており、今年の市場規模は2億5,000万米ドルに達するとみられている。

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