トルコ政府が3日実施したイスタンブール新国際空港の建設入札は、トルコの5社からなる企業連合が221億5,200万ユーロ(税抜き)で落札した。トルコの落札額としては過去最高。新空港は来年にも着工し、2017年の開港を目指す。イスタンブールの航空機受け入れ能力を大幅に強化して遅延などの問題を解決するとともに、フラッグキャリア・トルコ航空の成長を後押しする。
\落札したのは、複合企業のリマク、チェンギズ、建設会社のマパ、コリン、カルヨンからなる企業連合。契約は建設・運営・移管(BOT)方式で、25年の運営権を含む。
\新空港はイスタンブールの欧州地区に建設される。最終的な処理能力は1億5,000万人となり、既存2空港の合計の3倍に相当する。近隣には人口150万人を想定する衛星都市も整備する。欧州地区開発計画「イスタンブール・メトロポリタン」を構成するもので、第3ボスポラス橋、全長50キロのボスポラス運河の建設と並ぶプロジェクトだ。2020年夏季オリンピック大会のイスタンブールで開催が決まれば、この地域で試合の一部を行うことになる。
\今回の空港建設は、向こう10年で国内総生産(GDP)を2兆ドルに3倍化し、世界10大経済国にランクインする政府目標に向けた施策の一環。アフリカ、中東、欧州、中央アジアの間に位置する地の利を活かし、乗換え需要も取り込んで運輸・空港運営市場を大きく成長させる方針だ。
\ただ、市場には必要な資金が実際に調達可能かを懸念する声もある。◇落札額が初回提示額の2倍に達したこと◇過去数年、トルコ企業が落札したものの、資金問題でキャンセルされたり遅延したプロジェクトが契約額ベースで100億米ドル相当に上っている――ことが理由としてあがっている。
\今回の入札には落札した企業連合のほか、建設会社マクヨル、ICイスタシュ・独フラポート連合、TAVエアポートの3社・連合が参加した。(東欧経済ニュース1月30日号「イスタンブールに巨大空港を建設、17年開港予定」を参照)
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