天然ガス世界最大手のガスプロムがこのほど発表した2012年12月期の最終利益(国際会計基準)は11億8,000万ルーブル(290億6,000万ユーロ)となり、前期から9.5%減少した。減益は2001年以来。ガス販売量の縮小に加え、税負担と営業経費が拡大して利益を圧迫した。
\EBITDAベースの営業利益(調整済み)は約18.5%減の15億7,000万ルーブルだった。売上高は2.7%増の4兆7,000億ルーブル。欧州向けが2%伸びた一方、独立国家共同体(CIS)向けは17%も縮小した。国内向けは3%伸びた。ただし、出荷量ベースでは全ての市場で縮小。主要市場である欧州は7.5%減となった。
\営業経費は18%増の2億4,800万ルーブルに急増した。
\市場価格の低下を受けて欧州顧客が値引きを要請したことに応え、1億270億ルーブルを返金したことも利益圧迫要因の一つだ。
\ガスプロムは世界のガス埋蔵量の約25%を保有する。しかし、米国のシェールガス生産で世界市場への供給量が増加したのに加え、最近では国内の独立系ガス会社との競争が激化。現在は日本を含め、アジア市場の開拓を模索している。
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