2013/5/29

ポーランド

大手企業の売上高、伸びが鈍化

この記事の要約

ポーランド大手500社の2012年の売上高は1兆3,640万ズロチ(3,260億ユーロ)となり、前年比で2.6%の伸びにとどまった。インフレ率が3.7%だったことを勘案すると、実質では減少した計算になる。2011年は14 […]

ポーランド大手500社の2012年の売上高は1兆3,640万ズロチ(3,260億ユーロ)となり、前年比で2.6%の伸びにとどまった。インフレ率が3.7%だったことを勘案すると、実質では減少した計算になる。2011年は14.5%増を記録していた。

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今年は経済成長率の低下で、売上増加のペースがさらに鈍るとみられている。しかし、『ジェチポスポリタ』紙のアンケート調査によると、企業の4分の3が増収を見込む。一方で減収を予想しているのは5%にとどまり、19%が「前年並み」となっている。

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最も売上高が多かったのは石油のPKNオルレンで前年比12.3%増の1億2,000万ズロチを計上した。2位の同業ロトスの4倍近くに上り、ダントツの1位の座を守った。外資系としては流通のジェロニモ・マーティンスが再び4位に入り、最高だった。

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順位を大きく上げたのは8位の貯蓄銀行PKO BPだ。また、流通のユーロキャッシュとテスコも20位内にランクインした。

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業界別にみると、最も売上高が多かったのは鉱業で全体の15.7%を占めた。2位はIT(情報技術)の13.7%だった。

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輸出比率が最も大きいのは機械・設備(家電を含む)で69.6%だった。車両・船舶の56.6%がこれに続いた。

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上位500社のうちワルシャワ証取に上場しているのは126社。時価総額ではPKO BPが429億ズロチで最高となっている。2位はペカオ銀行の406億ズロチ、3位は保険PZUの344億ズロチだった。

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外資が過半数資本を握る企業は全体の半分以上に上った。しかし、国内民間企業は引き続き増加傾向にある。一方で、国有企業はやや減少した。

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ポーランドの経済成長率は2011年の4.5%から昨年は1.9%に落ち込んだ。財務省の最新予測によると今年は1.5%まで低下するもようだ。また、今年は欧州連合(EU)の長期予算の最終年に当たるため、助成金を活用したプロジェクトによる経済効果も小さくなる。ドイツなど主要取引国の勢い不足で、輸出をめぐる状況も明るくはない。

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