チェコ中央銀行の国立銀行(CNB)は18日、国内銀行を対象に実施した銀行の経営の安全度を測るストレステスト(健全性審査)の結果を発表し、今後リセッション(景気後退)が一段と悪化した場合でも国内銀行業界は持ちこたえられるとの判断を示した。
\ストレステストでは、ベースラインとストレスの2種類のシナリオを設定した。ベースラインシナリオは、国内総生産(GDP)の成長率を今年は0.5%マイナス、来年は1.8%のプラスと想定。この場合、銀行の収益性は低下し、国内銀行資産総額の1%を占める2つの小規模銀行が自己資本不足に陥り、3億コルナの資本注入が必要になるとしている。一方、ストレスシナリオでは、実質賃金の低下と失業率の上昇を伴うリセッションが今後3年間にわたって続くと想定。このシナリオが現実となった場合には13の銀行で自己資本比率が基準の8%を割り込み、総額で160億コルナの資本注入が必要となるとしている。ただ、CNBのシンガー総裁は、ストレスシナリオの下でも銀行業界全体の平均自己資本比率が8%を下回ることはなく、金融市場の安定性が脅かされることはないと楽観的な見方を示した。
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